謎映画「カフカ〜変身〜」は、原作のストーリーを忠実に再現した、世にも奇妙な不条理映画だった!あらすじ、ネタバレ無し感想
どうも、ぱにっく堂です。
今回はAmazon prime videoで配信中の謎映画の中でも異彩を放つ「カフカ〜変身〜」のご紹介。
予告編はコチラ↓
◆作品概要◆
2012年8月31日公開(カナダ)
上映時間:102分
監督・脚本:クリス・スワントン
出演:エイリーク・バー
ロバート・ピュー
モーリーン・リップマン
上映時間:102分
監督・脚本:クリス・スワントン
出演:エイリーク・バー
ロバート・ピュー
モーリーン・リップマン
〜あらすじ〜
ある日、身体に異変を感じて目覚めた青年、グレゴール。目の前に手足を伸ばすと、不気味な虫のような脚が蠢いていた。そう、それは自身が巨大な虫になった姿だった。
その姿を見た妹は悲鳴を上げ、母親は失神。
父親は怒りとも恐怖とも取れぬ顔で震えていた。
家族は彼を部屋に閉じ込めるも、再び人間の姿に戻る事を信じて、状況を受け入れ世話を始める。
しかし、原因不明の虫との生活は想像を絶する苦痛を家族に与えていく。
〜感想〜
20世紀の文学を代表する世界的作家フランツ・カフカの代表作である中編小説「変身」を映画化した作品ですが、その内容は超が付くほど原作に忠実。
1つ問題があるとすれば、カフカ本人は小説の中ではその姿がどのようなモノかは明確にしておらず、初版発行の際に表紙絵に描くグレゴールが変身するソレを虫として描くことを禁じていた。
しかし、映画内のグレゴールは著者の意に反し巨大な虫として描かれている点でしょうか。
ただ、グレゴールの姿を虫として描くことは本作が初めてではなく、作品が有名になるにつれ多くの人が嫌悪感を抱く虫の姿へとイメージが定着していったようですね。
虫になった青年と暮らす家族。
その部分だけを切り取ると、一見コメディチックなホラー映画なのか?とも思われそうですが、そうではないんです。
本作のテーマは「不条理」であり、疎外される側の感じる孤独と、疎外する側の冷酷さを描く、とても真面目で哲学的な文学作品が原作ですから、そのストーリーに笑いの要素は一切ありません。
そしてその不条理さは、そんじょそこらの胸糞サスペンスでは足元にも及ばない、暗く重たい影を観ている側の心に落としていきます。
実際に私も観ている途中で、鑑賞を投げ出そうかなと思うほど心地の良いストーリーではなかったです。
〜まとめ〜
実存主義の作品なので哲学的で難解です。
しかし実存主義の思想は、人間の感情はソレの本質より目の前の現実を捉えてしまうというモノ。
作中の現実=虫ですが、本質=虫になってしまった青年グレゴールという事を念頭に置き鑑賞するならば、フランツ・カフカの伝えようとした「世の不条理」が見えてくるのではないでしょうか?
本作をホラー映画とジャンル分けする事は恐らく間違いでしょう。
しかし当店は「怪奇映画屋」
こういった怪奇な出来事を描く作品も紹介して良いのではないかと今回は執筆に至りました。
すでに観られた方も、この記事を読んだ上でストーリーを思い返し、何か想うトコロがあれば幸いです。
ではでは、今回はここまで。
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