Netflix独占配信「その住人たちは」は、リストラされた中年の情念が執念として再燃した結果、怨念へと変わるサスペンス映画だった!あらすじ、ネタバレ無し感想
どうも、ぱにっく堂です。
今回はNetflix独占配信「その住人たちは」のご紹介。
予告編はコチラ↓
◆作品概要◆
〜あらすじ〜
幸せな家庭をモチーフにCMを製作し、広告会社の重役にまで登り詰めた中年の男ハビエル。
しかしリストラに遭い、住んでいた高級マンションを出て、慎ましい生活をしながら就職活動を行うが時代の変化とプライドが彼の新たな道を閉ざす。
そんな中、昔の不自由ない暮らしが忘れられないハビエルは、自身の車に落ちていた合鍵を使い、以前住んでいたマンションに忍び込み、現在の住人の暮らしを覗き見るようになる。
そして自身の幸せな家庭に暗雲が立ち込めてきた事を悟ると、恐ろしい計画の実行を決意する。
〜感想〜
静かな静かな作品です。
映画のジャンルとしては※クライムサスペンスに分類されそうですが、ストーリーの要所で悲鳴の上がるようなモノではなく、暗く淡々と進む展開に胸糞の悪さを加えたような明らかに観る人を選ぶ映画。
※クライム…犯罪のこと。
※サスペンス…作中の演出が読者や観客をハラハラさせるもの、またその感情
真綿で首を絞められるような重たい空気に、キャラクターも含めた画面上の演出の地味さ。
※ゴア描写満載のスプラッターや、ドカンとお化け屋敷のようにモンスターや幽霊が出てくる作品じゃなきゃホラー映画と認めない!みたいな方だと、開始15分で長めのまばたきしてしまうこと間違い無し。
※ゴア…流血、暴力、殺人を意味する言葉で、そのような演出をゴア描写と呼ぶ。
監督を務めるパストール兄弟は「フェーズ6」や「ラスト・デイズ」といった作品でも、起伏の無い展開でジワジワ攻めてくる感じでしたし、静かな※アポカリプスを描くのが得意なようです。
私はこのパストール兄弟の描く世界観が大好きで、ほとんどの作品を追っ掛けて観ています。
本作のストーリーの主軸は2つの家族の崩壊ですが、家族にとって家庭は紛れもない世界であり、その崩壊はアポカリプスと呼ぶに相応しいでしょう。
そういう意味ではパストール兄弟の得意とする世界観なので、画面の色彩や音楽、それらから発せられる空気の総てが私の大好物でしたね。笑
〜まとめ〜
あまり書くとネタバレになってしまうので、こういう作品の紹介はとっとと切り上げるのが吉です。笑
観る人を選ぶ映画ではありますが、スペイン映画らしい心理描写の緊張感と、パストール兄弟の描く静寂の崩壊がハマる人にはガツンとハマるのではないかと思います。
ただ、個人的にはパストール兄弟の作品では「ラスト・デイズ」がベストで、本作はソレを超えきれなかったなって感じ。
それは恐らく、私が人怖系の作品よりSFを好むからであって、好みによっては本作の方が好きという方も多々いらっしゃるでしょうね。
元エリートが、その知力と冷静さで1つの家庭を壊していく様はシンプルに怖いですし、そのエリートが悪に染まりニヤリと笑う様は派手なホラー映画では感じることの出来ない嫌悪感をアナタにプレゼントしてくれますよ。
ではでは、今回はここまで。
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