Netflix独占配信「ジェラルドのゲーム」は、人間の感情をあらゆる方向から掘り下げる、珠玉のシチュエーションスリラー映画だった!あらすじ、ネタバレ無し感想
どうも、ぱにっく堂です。
今回はNetflix独占配信「ジェラルドのゲーム」のご紹介。
予告編はコチラ↓
◆作品概要◆
〜あらすじ〜
結婚11年目、マンネリな夫婦生活に刺激を求めた夫が始めたゲーム。それは、妻を手錠でベッドに拘束するというもの。
しかし、夫が薬剤の過剰摂取による心臓発作で倒れてしまい事態は急激に悪化。
絶体絶命の状況の中、過去のトラウマ、逃げられない現在、そして未来に待つ死。
彼女は自分の精神という、もっとも強大な敵と戦うことになる。
〜感想〜
配信開始直後に観て、記事を書く為に再見しましたが、103分という短い時間の中で、よくこれだけ細やかな心理描写ができたなと、何度観ても感心してしまいます。
ヒットする※スリラー映画の多くは90分から100分の尺であれば、「SAW」シリーズや、近年であれば「ザ・ハント」のように、視覚的な恐怖を要所要所に放り込んでくるモノだが、本作の視覚的な恐怖はそれらの数分の1だと思う。
※スリラー映画…スリリングな展開で、観ている人をハラハラさせる映画
しかしその緊張感は、それらに優るとも劣らない。
時間軸の交差するタイミングの問題か、それとも登場人物のセリフ回しに惹き込まれるせいか。
あるいはそのどちらも秀逸で、作品の世界観に没入してしまうせいかも知れません。
物語の主人公となる妻を演じるのは「スパイ・キッズ」シリーズで、子ども達のママを演じたカーラ・グギノですが、以前に比べて演技力爆上げでセクシーなだけではなくなりましたね。
特にストレスの表現がとても繊細で、衰弱し思考が鈍っていく主人公の状態がありありと伝わってくる。
精神世界を描く作品なので、主人公の感情が観ている側にどれだけハッキリ伝わるかというのは、本作のキモになるってくる部分であり、その点では彼女の演技は完璧に近いと言って良いレベルでした。
本作に限らずスティーブン・キング原作の映画化というのは、知名度が高いぶん集客力はありますが、逆にリスクも多分に含んでいます。
キングのファンは老若男女問わず世界中に散らばっていて、新刊の発行と映像化作品の公開に目を光らせているのです。
どんなに良い作品を作ろうと賛否は巻き起こり、更にはキング自身からの意見も飛んでくる。
あの名作「シャイニング」ですら、監督したスタンリー・キューブリックの世界観が全面に押し出された作品だった為、ファンはもちろん原作者のキング本人からも「シャイニング」ではない!と痛烈な批判を受けています。
そんな中、当時40歳にもなっていなかった若きマイク・フラナガンは、特大のプレッシャーを跳ね返し本作を撮影し、世界中から評価されただけでなく、スティーブン・キングにも認められ、「シャイニング」の続編である「ドクター・スリープ」の監督まで任されたのだから凄い話ですよね。
〜まとめ〜
本作が無ければ「ドクター・スリープ」の大ヒットも無かった。それを考えると、本作がどれだけ良い映画だったかが分かります。
メインの登場人物は2人。そして、ストーリーの7割程度は拘束されたベッドの上で進むにも関わらず、奇妙なまでの奥行きを感じる世界観。
そして、時間軸の交差と鋭い心理描写で魅せる、他では味わえない独特の緊張感。
Netflixに加入していて、且つホラー好き、スティーブン・キング好きであれば、絶対に観て損は無い作品だと思います。
一部、かなり痛々しいシーンがありますので、そこだけは心の準備が必要ですけどね。
ではでは、今回はここまで。
ランキング参加中!ポチッとして頂けると嬉しいです♪