Netflix独占配信「バード・ボックス」は、閉じることで感じる恐怖と、閉じることで感じた絆を描く異色のSFホラー映画だった!あらすじ、ネタバレ無し感想
どうも、ぱにっく堂です。
今回はNetflix独占配信「バード・ボックス」のご紹介。
「バード・ボックスチャレンジ」なる、社会問題も引き起こしたSF映画の内容とは?
予告編はコチラ↓
◆作品概要◆
〜あらすじ〜
世界に突如現れた謎の闇。その存在を見た者は何かに突き動かされるように自らの命を絶つ。
ソレが現れて5年、人口が激減した地球に生き残った3人の親子は、安住の地を求め危険な旅に出ることを決意する。
〜感想〜
サンドラ・ブロック老けたな…。から始まった作品だったんですが、気づいたらストーリーに惹き込まれて家族を応援しまくってましたね。そんな不思議な映画です。
この作品のコンセプトとして謎の闇を「見てはいけない」ワケですが、この点が他のホラー映画と一線を画す部分になると思います。
少し分かりにくいので説明しますね。
ホラー映画の恐怖の対象となるモノの多くは見えないモノが多いんです。幽霊やポルターガイストのように、得体の知れないモノに恐怖する話が多い。それはモチロン見えない事は怖いからです。
何処から現れるのか分からない。いつ襲われるのか分からない。
未知=恐怖。これは紛れもない事実です。何千年も前から、人はこの未知の何かに恐れてきました。
しかし、本作の恐怖の対象はどうでしょう?
明らかに見えるのです。ただし、それを見れば確実に命を失ってしまう。だから見てはいけない。
全く違う恐怖である事がお分かり頂けたでしょうか。
本作の恐怖の根源は「未知」ではなく「ストレス」なんですよね。人はどうやら「できない」事よりも「やってはいけない」事の方が大きなストレスを感じる生き物のようです。
両目の見えない人はソレが見えない事に対して好奇心はあれど、ストレスはあまり感じないでしょう。
でも、元々見える人が両目を塞がれ「見てはいけない」と言われれば、見たい好奇心と「やれば出来るのに」という気持ちが衝突しストレスを生みます。
更に作中では、この謎の闇は「とても美しい」と言われており、あたかも見るべきモノのように語られているのです。
見れば命を失う。けれど、この世の何より美しいモノ。これを「見てはいけない」というストレスが、様々な感情とぶつかり恐怖となる。
更に主人公である母親は、好奇心旺盛な子どもを常に監視しなければならないワケで、気持ちの休まる瞬間すら与えてもらえないのですから、その辛さは想像を絶するモノでしょう。
そんな極限状態での新たな出会い、子どもたちとの間で深まる絆は、この母親にとって平和な日常では絶対に生み出すことのできない深く強い気持ちの揺れ、動きだったのではないかと思います。
謎の闇から逃げ、人の優しさに触れ、人の狂気に脅かされ、子を守り、子に救われ、その先でこの母親が目にしたモノは何なのか…。
それは是非、ご自身の眼でお確かめください。
〜まとめ〜
小説の世界で生まれた恐怖の新しいカタチを映像化した本作。主演のサンドラ・ブロックをはじめ、ジョン・マルコヴィッチ等ベテラン俳優陣の名演によって、ただのホラーではなく深いヒューマンドラマとして完成されています。
この作品の公開直後「バード・ボックスチャレンジ」という目隠ししての歩行、または車の運転をするなどの事件が米国で多発。
Netflix側がチャレンジをやめるよう警告ツイートを出す異例の騒ぎとなりましたが、これは好奇心から行うただの危険行為ですので絶対に真似しないこと。
命の危険を自分から作り出すだけでなく、周りの人を危険に晒す。そんな事で本作のサンドラ・ブロックになることは不可能です。
それにしても、Netflixオリジナル作品はハリウッドが映画化しないような原作のモノを映像化してくれる為、また違った楽しみがあって良いですね。
ではでは、今回はここまで。
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