どうも、ぱにっく堂です。
今回は2021年8月にAmazon prime videoで配信開始となった「デッド・ドント・ダイ」のご紹介。
(2021年8月現在プライム対象)
予告編はコチラ↓
警察官は3人しかいないのどかな田舎町センターヴィル。そんな町に怪奇事件が発生!内臓を食いちぎられた女性2人の変死体が発見されたのだ。事態に困惑しながらもパトロールに出た署長のクリフと、巡査のロニーは、途中で墓から何かが這い出したようなデコボコを見つける。その頃、町ではスマホや時計が急に故障し、動物たちは謎の失踪。太陽が沈まず夜が来ないなどの異常が多発していた。
〜感想〜
物足りない。笑
というか、ジャンルが何なのか分からない。
多額の予算を投じているのは特殊メイクの質、キャストの豪華さから一目瞭然ですが、ホラーというほど怖くなく、コメディと呼ぶには笑えない。
本作にあえてジャンルを付けるとすれば、ジャームッシュ映画という事になるでしょうね。それ以外に言いようが無いんです。本当に。
大御所ミュージシャンのイギー・ポップがクセの強いゾンビ役で出演してたり、タイトルと同名のテーマ曲「デッド・ドント・ダイ」は、カントリー歌手のスタージル・シンプソンに依頼して作曲してもらったりと、やっている事は凄く豪華。なのに映画として楽しめたかというと…物足りない。
しかし悪い映画でないので、その理由を少し掘り下げてみたいと思います。
「ゾンビ映画」というジャンルの歴史を遡ると、もともとがただのホラーではないんですよね。
ゾンビという存在は人間(ヒト)を映す鏡のようなモノであり、そこに社会風刺や反戦といったメッセージが込められている。それが故ジョージ・A・ロメロの創り上げたゾンビであり、ゾンビ映画の本質。
だとすれば、この作品は根っからのゾンビ映画じゃないか?と考えることも出来るんです。
本作に登場する人物は何かしらに執着し、ゾンビは生前自分の好きだったモノに執着するという習性があるのですが、これはロメロ監督の作品「ゾンビ」で、死して尚ショッピングモールに集まるゾンビの群れを「生きていた時の記憶」と表現していたアレのもう少し掘り下げたバージョンと言えば良いでしょうか。
そして人間とゾンビの戦いを遠くから観察する世捨て人が登場しますが、これが監督の目ですね。
人間(ヒト)という生物は、生きている時は勿論のこと、死しても尚「物欲」から離れることはできない。なんと愚かな生物だと。離れて見れば生者も死者も大して変わらないじゃあないかと。そう訴えているように思えます。
そう考えると、本作は立派なゾンビ映画のような気がするんですよね。
〜まとめ〜
ジム・ジャームッシュ作品の歴代キャストが集結し、ゲストや音楽に至るまで監督と交友のある人物で固められた本作は、盛大な同窓会のような映画で監督ファンならば間違いなく楽しめるでしょう。
また、ホラーとしてもコメディとしても弱い演出で批判殺到の本作ですが、そこに込められたメッセージ性を意識しながら鑑賞することで、本作の観え方はグッと変わってくるのではないでしょうか。
面白い映画を観る。のではなく、映画を楽しく観る必要がある作品ということですね。
ではでは、今回はここまで。
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