Netflix独占配信「嵐の中で」は、珍しい設定を、丁寧な造りと堅実なストーリーで魅せるSFミステリー映画だった!あらすじ、ネタバレ無し感想
どうも、ぱにっく堂です。
今回はNetflix独占配信「嵐の中で」のご紹介。
予告編はコチラ↓
◆作品概要◆
〜あらすじ〜
1989年のある夜、1人の少年は殺人の現場を目撃してしまい、加害者から逃げる途中に車に撥ねられて死亡してしまう。
そして月日は流れ25年後。その忌まわしい過去のある家に夫婦と1人娘が越してきた。
隣人に25年前の事故の話を聞かされた夫婦だったが、その夜に妻は古いテレビとビデオカメラを通して25年前に亡くなった少年と出会う。
嵐の影響で時空が歪み過去と現在が繋がったのだ。
彼女は少年に事故の事を伝え命を救うが、翌朝目を覚ますと彼女の人生は一変していた。
〜感想〜
凄く丁寧に作られた映画ですね。
さすがは「ロスト・ボディ」や「ロスト・アイズ」で洗練されたサスペンスを魅せたオリオル・パウロ監督作品だな。といった所です。
ただ、オリオル・パウロの作品として上記2作品と異なるのは、最後まで観なければ単なるミステリーなのか、サスペンスなのか、SFなのか…どういった映画なのか解らないという「ロスト」2作品に比べ、本作は冒頭からSFサスペンスだということがハッキリと明示されているという点でしょうか。
しかし、だからといって作品の持つ重厚さは他作品と遜色ないのだから素晴らしい。
嵐の影響で過去と現在と繋がっただけでなく、少年を救った世界と救わなかった世界が生まれてしまった為、主人公が今居る時間軸の問題だけでなく、偶然にも生まれてしまった平行世界と、元居た世界のどちらを生きるかというのも物語の鍵となっていて、先が読みにくく面白いなと思いましたね。
しかし…サスペンスという、それでなくてもストーリーを追う必要のあるジャンルに加えて、SF要素まで入ってくるので「ながら見」なんてした日には、ほんの数分で置き去りにされてしまいます。
サスペンスの重要な要素である「謎解き」と、SFといえば定番の「時間軸の交錯」が入り混じり、しっかりと観なければいけない作品。
ただ、時間軸を頭で整理しつつ謎解きをする。そんなSFサスペンスならではの特徴さえ受け入れてしまえば、本作だけの設定の面白さと丁寧な作りから、映画好きな人にとって非常に楽しめる映画の1つになると思います。
こうやってストーリーは少し難解で、しばらく映画に没頭しないと置いてかれますよ。って話さえしとけば、キャスト陣の演技や映像に関しては何1つフォローしなくても観れば分かってもらえるな。
と確信が持てるほどのクオリティの高さですから。
〜まとめ〜
ジャケットに惹かれず長いこと観ずにいたのですが、オリオル・パウロが監督だと分かった途端に観たダメな私をお許しください…。笑
でも結果としては観て良かったです!
この監督は映画好きの喜ぶポイントをちゃんと押さえていますからね。129分というやや長尺の作品にも関わらず、観終わった時の時間無駄にしちゃったなって感じが無いんです。
それって映画では大事。やっぱり1時間半〜2時間という時間を費やすので、他のことやっとけば良かった…なんて思いたくないですもんね。
雨風のある日、1人部屋で籠って観るには最適なSFサスペンス。巣籠もりのオトモにどうぞ。
ではでは、今回はここまで。