「ザ・ドア〜交差する世界〜」は、真の親心について考えさせられる、恐ろしくも切ないSFスリラー映画だった!あらすじ、ネタバレ無し感想
どうも、ぱにっく堂です。
今回はAmazon prime videoで配信中の「ザ・ドア〜交差する世界〜」のご紹介。
※本作はR16指定となっております
予告編はコチラ↓
◆作品概要◆
〜あらすじ〜
有名画家のダヴィッドは、妻の留守中に愛人との情事を楽しんでいた。その間に娘のレオニーは自宅のプールに落ち溺死。
事故で娘を失って5年…妻にも見放され全てを失ったダヴィッドは自殺を試みるが、友人に救出される。死ぬ事もできず外をフラつくダヴィッドの前に1匹の蝶が現れ、その後を追い怪しいトンネルを抜けると、そこは5年前に全てを失った日だった。
〜感想〜
SF映画にも関わらず、良質なヒューマンドラマを観たような充実感がありました。
ドアを抜けるシーンを除いて、基本的に画面自体は明るいんですが、全体に漂うダークでアダルティックな空気が素晴らしいんですよ。
ドイツ映画。
皆さん、ドイツ映画と聞いてパッと浮かぶ作品はありますでしょうか?恐らく、浮かぶ人の方が少ないのではないかと思います。
しかしながら、ドイツは1920年にホラー映画の発祥と言われる「カリガリ博士」や「巨人ゴーレム」、「ジキル博士とハイド氏」等のサイレント映画を発表し、その後も現在のヴァンパイア映画の原型となる「吸血鬼ノスフェラトゥ」の発表。
そして1987年に「ネクロマンティック」という超問題作を製作した、奇才ユルグ・ブットゲライトを生んだ国でもある、世界で最も古い歴史を持つホラー映画大国なんです。
なので、暗いだけ、音が大きいだけがホラーでは無い事を熟知してるというか、明るかろうが何だろうが描写と演技だけで恐怖心を煽ってくれる。
そういう細かいテクニックが本当に上手い国。
更に主演のマッツ・ミケルセン!
ドラマ版「ハンニバル」とかいう最高すぎる作品で、ハンニバル・レクターを演じ北欧の至宝とまで言われるこの男!
兎にも角にもカッコいいの一言です。
ダンディズム溢れる風貌に射抜くような鋭い眼、そこに時折覗かせる温かさと優しさ。
モチロン女性人気は凄まじいでしょう。
しかし、このオーラは男も惚れる漢なんですよね。
そんなマッツ様演じる画家のダヴィッド。
彼の苦悩が本作のキモですが、とにかく表情の使い分けが巧いんですよ!
表情だけでこの作品のコントラストを付けてるんじゃないかってくらい完璧なまでの演技力。
現在か過去か…自分か家族か…私はその揺れ動くダヴィッドの感情に感情移入しまくりで、最後は少しウルッときてしまいました。
その前に白熱のシーンがあっただけに余計に感情揺さぶられたのか…とにかく淡いんですが、深い感情に包まれたんですよね。伝わるかなコレ…
〜まとめ〜
世界屈指のホラー大国ドイツが生み出したSFスリラーは、低予算にも関わらず、緻密な脚本と名優マッツ・ミケルセンの好演によって、ホラーの枠に収まらず、恐ろしくも心温まるファンタジードラマへと昇華されました。
感想=ネタバレになりそうで、どんな風に書けば良いやら迷いましたが、それでも本作の魅力であったり、ドイツ映画の歴史の凄さが伝わって、結果として本作を観てくれる方がいれば良いなと思います。
2021年10月1日までという限られた期間ではありますが、登録不要、完全無料の「GYAO!」でも配信されておりますので、Amazon prime videoに加入していない方も、この機に本作お見逃しなく!
ではでは、今回はここまで。
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